20090812




 こちらでは日本語で書かれた新刊書に出会う機会はまず皆無です。 インターネットがあれば日本語を読むということに関しては不自由しませんが、 やはり本を手にとって読むことに比べると、何か物足りなさを感じてしまいます。 それを予測して、いくつか日本から本を持ってきているのですが、 ほとんどは既に読んでしまっているものばかり。たまには内容を知らない日本語の 本を読んでみたいと思っていました。
 
 そんな中、細君のお姉さまから素晴らしいプレゼントを贈っていただきました。

村上春樹著、1Q84、上下巻セットです。
 
 仕事も一山越え、最近は時間的な余裕もあったので、じっくりと読ませてもらいました。 構成としてはT君(男性)の章とAさん(女性)の章が交互に語られます。 はじめは何の関係もない2人なんですが、話がすすむにつれ、2人に繋がりがある ことが読者にわかってきます。しかし、2人が繋がっているのはお互い同士だけでなく、 作品のメインとなる「不思議な人々」に深く関係したものになっています。 2人の意思・希望からするとあまりにも大きすぎて抗し難い「不思議な人々」の力なのですが、 それに対して、どのように2人が(あくまで個人として)自分を通すのか?自分としての 生き様を示すのか?ということが描かれています。
 
 と書いてみて、もう一度上の文章を客観的に見返してみると、 何なのか全くわからない文章ですね。興味のある人は実際に作品を読んでみて ください。自分もまだ一度しか読んでいないので、もう一度読んでみたいと思います。
 
 村上春樹さんの作品は(自分は初期の作品しか読み返してはいませんが) 何度読んでも面白いという特徴があるように思います。わかりやすい文体で ありながら内容が深く、2回、3回と読み返してはじめてわかることも多々あります。





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