スーパーマーケット




 チューリッヒでなくとも外食が非常に高くつくスイスにあっては日々の食料はどうしても スーパーマーケットに頼ることになります。日本のコンビニにあたる存在はなく、 Kioskというちょっとした売店はあっても日本の鉄道にあるキオスク同様、 コンビのような多彩な品数というわけにはいきません。
 現在、スイスのスーパーマーケット業界は年間売り上げ1位のMigros(ミグロ)と2位のCoop(コープ)で ほとんど独占されているような状態です。
 Migrosは2007年度の報告では、小売部門の事業高は、185.2億フラン、Coopのほうは 2006年度の報告では146.99億フランとなっています。どちらも日本円にすると1兆円を超えている ところがすごいです。
 第3位のDENNERという系列も存在するのですが、現在ではMigroの傘下に入っていますので、ますます 上位2社が占める割合は高くなってきています。
 その他、シェアーは少ないですが、いくつかのスーパーマーケットは存在します。 これらを自分が知っている範囲で述べていきたいと思います。
 
1.Migros

 商品をすべて自社でまかなうことで安値での提供を試みている。 Coopに比べるとMigroのほうが安くて良質といわれているが、 自分は必ずしもそうは思わない。というか、まだその違いに気づいていないだけかもしれない。
 というのも、他社が行った調査(6,700人を対象)では、 「ミグロは品質と価格の最も優れた企業」と位置づけられているようです。 出典は 日本のコープのニュース からです(なにせMigrosのホームページには英語版がありませんので)。 さらにこのニュースでは詳しいデータが載っていて、 Migros店舗への週平均来店者数は870万人、客単価は30.4フランだそうです。
 自社製品の中でもM-budgetと名づけられた製品はさらに安く売られている。
 
2.Coop
 自社製品だけではなく他製品も販売するところがMigrosとの大きな違い。 レジで支払い時にもらえるポイント・スタンプ(切手)があり、Migrosとは異なる戦略がありそうである。 安値で売られているものに、Prix Garantieというのがあり、ちょうどMigrosのM-budgetに相当するものと思われます。
 いまひとつの特徴としては、お酒を販売しているということ。Migrosでは一切販売されていません。
 
 さて、ここで、各ジャンルごとにMigrosとCoop、どちら?をみていきたいと思います。
 上述したように、実際のところ自分はあまりMigrosとCoopの違いについて把握していないように思いますが、 細君の意見を取り入れた上で判断していきたいと思います。
 
 
新聞
 Migros、Coopともに週刊新聞を発行しています。
左から、"MIGROS MAGAZIN"、"Coopzeitung" と名づけられ、店頭で無料で手に入れることができます。 内容はというと、様々なニュースや健康に関する情報など、 日常生活に役立ちそうな事柄が載っているようです。 とはいっても、すべてドイツ語ですので、詳細は不明です。
 両者とも100ページを超えていて、その情報量の多さはすごいと思うのですが、 冊子中盤を見ますと、
どちらも、自店での安売り情報を掲載しています。これらの広告であれば、 別にドイツ語がわからなくとも十分に役立つ情報になりますよね。
 ということで、新聞に関してはMigros、Coopの両者は引き分けだと 考えます。
 
乳製品
 細君によりますと、我が家の牛乳はハイジ・ブランドということでMigrosでしか 買わないとのことです。
 さらにヨーグルトに関しては、キウイ・ヨーグルトというのがあって
Migrosでしか売っていないそうです。
 このヨーグルトの特徴は、上段のヨーグルト層と 下段のキウイ層に分かれているのですが、
1.上段のヨーグルトだけでもすごくおいしい。
2.下段のキウイ層は濃厚なジャムのような感じで、それ自体はかなり 甘い。しかし、上段のヨーグルト層と混ぜることで、いい具合になる。 もっと言うと、自分の好きな甘さ加減に調節できるという優れものらしいのです。 甘いものが苦手な自分にとってはどうにもわからないことなんですが、 このヨーグルトが一つ0.95フラン(約95円)ということから考えても 試してみても損はないと思います。
 ということで、乳製品はMigrosの勝利かと思います。
 
ソーセージ
 安くて種類がおおいのはMigrosです。
 

 冷凍保存しないといけませんが、一度に大量の肉を買う場合は Coopのほうがお得です。
 
魚・魚介類
 店員さんが切り分けてくれるところであればMigrosがお勧めです。 ホタテ、マス、サーモン、タイなど種類も豊富です。 ただし、Coopでは4〜5時になると25%引きになる商品(魚のパック) があるので、それを狙うというのも選択枝の一つかと思います。
 
野菜・パン・菓子
 これらに関してはMigros、Coopともに差はありません。 ただ、ポテチ・フリークの細君が言うには、M-budgetにはプレーンなポテチが あるけれど、Prixにはパプリカのポテチしかなく、がっかりしたそうです。
 

 これも両者、あまり差はないが、日本人が好みそうな米は Migorsのもののようです。
 
水・ジュース
 これも大差はありません。物価が高いスイスですが、水は驚くほど安いです。 1.5リットル0.3フラン(約30円)というのもあります。
 

 上述のとおり、Migrosは自社のポリシーから酒類は一切扱っていません。 買うならCoopということになります。ビール、ワインがメイン。大きめの店では かなりしっかりとワインを揃えています。この点ではCoopに軍配が上がります。
 
 以上、MigrosとCoopの比較でしたが、こうやってみると、 やはりMigrosのほうが総合的に優れているのかなと思います。
 
3.DENNER
 あまり大きな店舗はありませんが、食料から生活必需品まで品物が揃っています。 スーパーマーケットとキオスクの中間的な存在という印象です。上述のように今や Migrosの傘下に入っていますが、Migros化していなく、あくまで棲み分けが 保たれています。
 そのわかりやすい一例としては今でもDENNERが酒を扱っている点だと思います。 Migrosは頑なに酒類の販売を行わないのに、その傘下の店では酒類を販売するというのは 一見、「汚れ仕事は傘下の店で」というように見えなくはないんですが、 地元の人々(DENNERクラスの店では大事な顧客)にとっては、依然と変わらない DENNERでいてくれたほうが便利なんだと思います。
 さて個人的なことなんですが、DENNERには500mlで0.6フラン(約60円)というビールが あり、それをよく買いに行くのですが、もう一つ、日本ではありえないようなビールがあります。
 その名も「8,8 PREMIUM」というのですが、何が8.8かというと アルコール度数なんですね。ごくごくとは飲めませんが、ちびちびやる分には 面白いビールで、気に入っています。
 
4.Marinello
 店のモットーとしては健康的な食材を提供するということ。 その分、値段は少し高めになっています。
 ワインをはじめ酒類も販売されています。
うれしい特徴としては他のスーパーではみられないような頑丈な ビニール袋をただでもらえるということです。
 この袋、捨てるにはもったいなく、自宅では洗濯用洗剤の持ち運び用に 利用しています。
 
5.SPAR
 店先にSUPERMARKETと書かれていますので、ここもスーパーの 一種かと思います。イメージとしてはDENNERをもっとキオスク的にした ような感じです。パンやサンドイッチ、惣菜などもあるのですが、 どれも少し値段が高いように思います。
 
 以上、スーパーマーケットについて述べてみました。 しかし、まだまだ書くべきことはたくさんのこっています。 例えばCoop Cityとは何?といったことや、 スリーエム・ミグロって何?など、スイスに初めて住む 日本人には「?」なことに言及していません。
 これらについては、時をあらためて述べてみたいと思います。
 
2008.7.3











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