ビザ




 日本でスイスでの「滞在許可証」を取得した後はスイスに入ってからの手続きになります。 ここで重要なことは、住居が定まらないと次のステップに行けないということです。 つまり、アパートの契約を済ませ、自分の住所が決まってからということになります。
 自分達は2008年4月18日の金曜日にアパートへの入居が許されましたが、 その日は荷物の運搬などで一日を使い果たしてしまったので、次のステップは 4月21日の月曜日となりました。
 日本で受け取った「滞在許可書」を持って、てっきりジュネーブにある日本国総領事館 まで行かないといけないと思っていたのですが、実際は歩いて5分くらいのところにある 移民局へ行くだけで済んでしまいました。

 移民局なんて今まで行ったことがなかったのですが、建物は立派でした。 そして、立て札を見てみると、
 なんと、警察だったんですよね。こちらではこういうシステムになっている ようです。そのオフィスでは2人の人が別々の窓口で対応していました。 数組の待ち人がいて、先の方々の手続きが終了したら、次の方々が 窓口に呼ばれるというシステムです。順番の整理券などはありません。 あくまで、待ち人たちの間の暗黙の了解ということなんですが、 誰も「ずる」をする人はいません(笑)。
 上述のように顧客の対応に当たられているのは2人。一人は女性、 一人は男性です。特に男性のほうは、ちょと神経質そうで、こわそうな 感じで、できるなら女性のほうに対応してもらいたいなと思っていました。
 しかし、こういうときに限って、自分達の思惑どおりには行かないもので、 自分達が呼ばれたのは、男性のほうでした(笑)。
 しょうがないと思いつつも、「しょうがない」との雰囲気がでないように 気をつけながらその男性の言われるがままに事を済ませました。
 なんとなく、ずっしりと重い時間をすごしました。何といっても、 男性の対応が重いのです。特に間違ったことは一つもしていない男性。 そこがまた重いと思うのですが、何より一つ一つの質問が淡々と無愛想で、 なんとなく威圧的。 男性の背中の後ろにはオフィスの窓があって、そのときは閉まっていたのですが、 男性の質問に答えている途中、「あの窓から逃げ出そうかな」 と思ってしまうくらい威圧的でした(笑)。
 まあ、しかし、そんなことを思いつつも、手続きが終了した後には
写真のようなちょっと進展した形の証書を頂きました(一人分20CHF支払ったので 買ったということになります)。
 あと、この書類作成時には「あなたの宗教は?」ということを聞かれます。 "none"と答えればまず問題ないと思いますが、もしもある宗教の名前を言ってしまうと、 あなたはその宗派の教会の一員とみなされますので教会税を払わないといけません。
 
 ただ、まだここで終わりというわけではないのです。 さらにこの後、1ヶ月程経つころに自宅に封書が届きました。 それには上写真の仮ビザと、顔写真、パスポートなどを持参して もう一度、同じところ(Polizei:警察)へ来いとのことでした。
 
 またあの男性に会うのか・・と1ヶ月前の悪夢がよみがえりましたが、 ここは避けては通れない道ですので、再びPolizeiへと向かいました。
 今回は、ひょっとしたら、前回の男性はいないんじゃないかと、 期待していったのですが、オフィスに入ってみると、みごとに我々の 望みは打ち砕かれたのでした。
 前回と同じように男性は淡々と働いていました。隣の窓口には 別の女性が客に対して対応しています。できることならば、 女性に対応してもらいたいと思うことは罪でしょうか?いや自然の 摂理ですよね(笑)。
 ということで、悪いことはそう何度も続くわけではなく、 このときは神様の思し召しにより女性職員にかかることが できました。手続きもなんとなく前回に比べてスムーズ。 そして出来上がったものの写真です。
これこそが、今まで求めていたビザということになります。 表紙あるように自分の場合はB、こちらではBパーミットと 呼ばれています。
 ただ、有効期限が1年ですので、1年先には再び、あのPolizeiに行って 手続きをしないといけません。確率は2分の1なんですが、 なんとも気が重いですね。
 
 最後にスイスでのビザ一般について。どういうタイプのビザがあるのか まとめられているものが少ないように思います。
 自分が持っている資料の中では Federal Statistical Office FSOが発行した Statistical Data on Switzerland 2008という冊子が参考になると 思いますので、そこから抜粋しますと、
となっています。この資料からは
B permit  居住者
C permit  永久居住者
L permit  一時居住者
N permit  亡命者
F       暫定的許可
だということがわかります。一般的な日本人にとっては B, C, L permitあたりが関係しそうだということはわかりますが、 これだけではわかりにくいですね。 他の資料からの情報を付け加えてこれら3つのpermitについて 述べてみます。
 
B permit
 スイスでは最も一般的なpermit。年間就労、居住のためのもので、1年ごとの更新が必要。 最長4年まで可。家族も同様にB permitを取得し、スイスで共に生活できる。
 
C permit
 5ないし10年スイスで居住した後に認められる永久居住のためのpermit。 これによりスイス市民と同等の権利が与えられる。3年ごとに更新が必要で、 途中、連続して6ヶ月間スイスを離れてしまうと無効となる。
 
L permit
 短期就労もしくは居住のためのpermitで、4ヶ月、6ヶ月、6ヶ月以上の期間 (最長18ヶ月)として発行される。B permitの場合と違い、家族は一緒にスイスで 生活できない。
 
2008.7.5








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